仕事がつらいとき、アドラー心理学から考える|人間関係・評価・働き方との向き合い方

仕事がつらいとき、アドラー心理学から考える

「仕事に行くのがつらい」

「職場の人間関係に疲れた」

「頑張っているのに、評価されない」

「この仕事をずっと続けていいのかわからない」

働いていると、そんな気持ちになることがあります。

仕事内容そのものが大変なこともあれば、上司や同僚との関係、評価への不安、失敗への恐怖、周囲との比較など、さまざまな理由が重なって仕事がつらくなることもあります。

そんなとき、「もっと前向きにならなければ」「仕事なのだから我慢しなければ」と自分に言い聞かせても、なかなか楽にはならないものです。

では、アドラー心理学なら「仕事がつらい」という悩みをどのように考えるのでしょうか。

アドラー心理学では、仕事を単に「お金を稼ぐためのもの」としてだけではなく、人が他者と関わりながら生きていくうえで向き合う重要な人生の課題の一つとして考えます。

そして、仕事の悩みを考えるときにも、「自分には何ができるのか」「これは誰の課題なのか」「他者とどのように協力するのか」という視点が重要になります。

この記事では、「仕事がつらい」と感じるとき、アドラー心理学からどのように考えられるのかを、仕事の課題・課題の分離・劣等感・承認欲求・勇気・共同体感覚などからわかりやすく見ていきます。

アドラー心理学では「仕事」を人生の課題として考える

アドラー心理学には、「ライフタスク(人生の課題)」という考え方があります。

代表的なものが、「仕事」「交友」「愛」という3つの課題です。

ここでいう仕事は、単に会社員として働くことだけではありません。人と役割を分担し、何かを作ったり、誰かの役に立ったり、共同体の中で自分の役割を果たしたりすることまで含めて考えることができます。

つまり仕事とは、他者と協力しながら社会の中で生きていくための課題でもあるのです。

なぜ仕事はこれほどつらくなりやすいのか

仕事には、多くの人間関係が存在します。

上司、同僚、部下、顧客、取引先。仕事の内容だけでなく、「誰とどう関わるか」が日々の気持ちを大きく左右します。

さらに、仕事には評価もあります。成果、昇進、給与、売上、数字、周囲からの評判など、自分と他人を比較しやすい材料がたくさんあります。

そのため仕事は、単なる作業ではなく、人間関係・評価・劣等感・承認欲求などが表れやすい場所でもあります。

「仕事がつらい」を一つの問題にまとめない

「仕事がつらい」と思ったとき、まず考えたいのは、何がつらいのかを具体的にすることです。

仕事量が多すぎるのか。仕事内容が合わないのか。上司との関係が苦しいのか。同僚と比べて落ち込むのか。評価されないことがつらいのか。失敗することが怖いのか。

「仕事がつらい」という一言の中には、いくつもの違う問題が隠れていることがあります。

問題が違えば、向き合い方も変わります。

だから最初から「自分は仕事に向いていない」と結論を出すのではなく、「具体的に、何が自分を苦しくさせているのだろう?」と分けて考えることが大切です。

具体例①|上司からの評価が気になってつらい

仕事の悩みで多いのが、他人からの評価です。

「上司から認められたい」「仕事ができると思われたい」「失望されたくない」。こうした気持ちは、多くの人が持っています。

評価されれば嬉しいですし、褒められれば自信がつくこともあります。

しかし、評価されることが仕事の最大の目的になると、少しずつ苦しくなることがあります。

「評価されたい」と「評価されなければ価値がない」は違う

たとえば、一生懸命資料を作ったのに、上司から何も言われなかったとします。

「せっかく頑張ったのに」と残念に思うことは自然です。

でも、そこから「評価されなかったから、自分の仕事には意味がない」「自分には能力がない」と考えると、他人の評価が自分自身の価値を決めるものになります。

アドラー心理学から考えるなら、ここで大切なのは、評価を受けることと、自分の価値を評価に預けることを分けることです。

「承認されるために働く」と苦しくなりやすい

誰かから認めてもらうことは嬉しいものです。

しかし、「褒められるために働く」「上司に認められるために頑張る」「評価されなければ意味がない」という状態になると、仕事の主導権が他人に移ってしまいます。

なぜなら、他人が自分をどう評価するかは、自分だけでは決められないからです。

どれだけ頑張っても、評価されないことがあります。反対に、自分ではそれほど意識していなかったことが高く評価される場合もあります。

だから、他人からの承認だけを基準にすると、仕事に対する自分の価値まで不安定になってしまいます。

そこで「課題の分離」を考える

アドラー心理学で有名なのが、「課題の分離」です。

仕事の場面でも、この考え方は役立ちます。

たとえば、上司に提出する資料を作るとします。

自分には、情報を調べること、丁寧に資料を作ること、期限までに提出すること、指摘された点を必要に応じて改善することができます。

でも、その資料を見た上司が「素晴らしい」と思うか、「まだ足りない」と思うかまで、完全に決めることはできません。

つまり、自分が取り組めるのは自分の行動です。

相手の評価まで完全にコントロールしようとすると、仕事はとても苦しくなります。

課題の分離は「上司の意見を無視すること」ではない

ここは誤解しやすいところです。

「評価は上司の課題だから、自分には関係ない」と考えるわけではありません。

仕事には役割や責任があります。上司から改善点を指摘されたなら、その内容を聞き、必要なことは修正する必要があります。

大切なのは、相手の意見を参考にすることと、相手の評価によって自分という人間全体の価値まで決めることを分けることです。

仕事の評価は、仕事についての評価です。

それが、そのまま人間としての価値を意味するわけではありません。

具体例②|同僚と比べてしまってつらい

「あの人は自分より仕事ができる」

「同期なのに、もう昇進している」

「自分だけ成長していない気がする」

仕事は、他人と比較しやすい場所です。

役職、給与、売上、成果、評価などが見えやすいため、「自分は周りより遅れている」と感じることがあります。

ここで関係するのが、アドラー心理学の「劣等感」です。

劣等感そのものは悪いものではない

劣等感というと、できればなくしたい感情のように思えるかもしれません。

しかし、「あの人のほうが仕事が上手だ」「自分ももっとできるようになりたい」と感じること自体は、必ずしも悪いことではありません。

その感覚があるから、学ぶ。練習する。工夫する。成長する。

つまり、劣等感は成長するためのきっかけにもなります。

問題は、「あの人よりできない」という事実から、「だから自分には価値がない」まで広げてしまうことです。

「仕事ができない」と「人間として劣っている」は違う

たとえば、同僚のほうが営業成績が高かったとします。

それは、「現時点では営業成績という指標で相手のほうが高い」ということです。

でも、それだけで「相手のほうが人間として価値がある」ということにはなりません。

また、自分には別の得意なことがあるかもしれません。

人の話を丁寧に聞ける。資料作成が得意。細かなミスに気づける。チームの人が相談しやすい雰囲気をつくれる。

仕事の一つの能力を、自分全体の価値にまで広げないことが大切です。

「誰より上か」ではなく「自分に何ができるか」

仕事を競争としてだけ見ると、他人の成功が自分にとって脅威になります。

同僚が昇進したら、自分が負けた。誰かが褒められたら、自分の価値が下がった。

でも、本当にそうでしょうか。

同僚が評価されたからといって、自分が成長する可能性がなくなるわけではありません。

そこで問いを、「自分は何位?」から「自分には何ができる?」へ変えてみます。

競争から、役割や貢献へ視点を移すのです。

具体例③|ミスするのが怖くて仕事がつらい

「間違えたらどうしよう」

「怒られたらどうしよう」

「能力がないと思われたらどうしよう」

仕事で失敗することへの恐怖も、大きな負担になります。

すると、何度も確認する。新しい仕事を避ける。完璧になるまで提出できない。責任のある仕事を引き受けたくない。

このように、「失敗しないこと」が仕事の最大の目標になることがあります。

完璧を求めるほど仕事が苦しくなることもある

ミスを減らそうと努力することは大切です。

しかし、「絶対に失敗してはいけない」と考えると、仕事に取り組むたびに大きな不安が生まれます。

人は、どれだけ経験を積んでも失敗することがあります。

だから、目標を「絶対に失敗しない」だけにするのではなく、「失敗したときにどう対応するか」まで含めて考えることが大切です。

間違えたら修正する。必要なら謝る。原因を考える。次に同じことが起きにくい方法を探す。

失敗しない自分になるのではなく、失敗しても次の行動を選べる自分になるという考え方です。

アドラー心理学の「勇気」と仕事

ここで重要になるのが、アドラー心理学の「勇気」です。

勇気というと、「怖いものがなくなること」「自信満々になること」のように思えるかもしれません。

しかし、仕事で必要な勇気は、必ずしもそうではありません。

「失敗するかもしれない。でも取り組んでみる」

「わからないから質問してみる」

「自分にも責任があるから認める」

「必要なことだから意見を伝える」

こうした、小さな行動にも勇気があります。

自信がついてから動くのではなく、不安があっても、自分の課題に取り組んでみることです。

具体例④|職場の人間関係がつらい

仕事内容よりも、人間関係のほうがつらいということもあります。

上司と合わない。同僚の態度が気になる。周囲に気を遣いすぎる。人から嫌われることが怖い。

アドラー心理学では、人間の問題を対人関係と深く結びつけて考えます。

そのため、仕事がつらいときも、仕事内容だけではなく、自分が職場の人をどのように見ているのかを考えることができます。

職場の人を「評価者」としてだけ見ていない?

他人の評価が気になりすぎると、職場にいる人が全員「自分を採点する人」のように見えてきます。

上司は、自分を評価する人。

同僚は、自分と比較される人。

部下は、自分の能力を判断する人。

すると、職場が常に緊張する場所になります。

でも、人間関係には評価以外の側面もあります。

助けてもらう。教えてもらう。情報を共有する。一緒に問題を解決する。困っている人を手伝う。

つまり、他者は評価者であるだけでなく、協力する相手でもあります。

「横の関係」は役職をなくすことではない

アドラー心理学について学ぶと、「横の関係」という言葉に出会います。

ここで注意したいのは、会社の上下関係や役職そのものを否定することではありません。

上司には上司の責任があります。部下には部下の役割があります。取引先との力関係が存在する場合もあります。

ただし、役職に違いがあっても、人間としての価値まで上下になるわけではありません。

相手を必要以上に恐れたり、逆に下の立場の人を見下したりせず、一人の人間として尊重する。

それが、職場における「横の関係」を考える一つのヒントになります。

「課題の分離」で人間関係を切り捨てない

職場の人間関係がつらいとき、「これは相手の課題だから」とすべて切り離したくなるかもしれません。

しかし、アドラー心理学の課題の分離は、人間関係を断ち切るための考え方ではありません。

誰の課題なのかを整理したうえで、必要なら「共同の課題」として話し合い、協力することも重要です。

たとえば、仕事の進め方について上司と意見が合わないなら、「上司の課題だから知らない」で終わるのではなく、仕事を進めるために何を共有し、どこを相談する必要があるのかを考えます。

課題を分けることは、協力しないことではありません。

むしろ、適切に協力するために境界を明確にすることでもあります。

具体例⑤|頑張っているのに意味を感じられない

「毎日仕事をしているけれど、何のために働いているのかわからない」

そんな感覚になることもあります。

給与を得ることは、働く大切な理由の一つです。

でも、それだけでは仕事に意味を感じにくくなることもあります。

そこでアドラー心理学から考えたいのが、「他者貢献」と「共同体感覚」です。

「評価されるか」から「何に貢献しているか」へ

仕事では、「自分はどれだけ評価されたか」が気になります。

でも、問いを少し変えてみます。

「自分の仕事は、誰の役に立っている?」

接客なら、目の前のお客さまかもしれません。

事務なら、ほかの人が仕事を進めやすくなるよう支えているかもしれません。

目立たない仕事でも、その仕事がなければ組織が動かないことがあります。

評価されるかどうかだけではなく、自分の仕事がどこにつながっているのかを見ることで、仕事の見え方が変わることがあります。

「役に立てなければ価値がない」ではない

ただし、ここには大切な注意点があります。

「人の役に立つことが大切」と聞いて、「役に立てない自分には価値がない」と考える必要はありません。

それでは、仕事で成果を出し続けなければ自分の価値を保てないことになります。

他者貢献は、自分の存在価値を証明するための義務ではありません。

無理をし続けたり、自分を犠牲にしたりしてまで貢献する必要もありません。

自分自身も、共同体の一員です。

「仕事がつらいのは自分の考え方が悪いから」ではない

ここは、とても大切です。

アドラー心理学を学ぶと、「考え方を変えれば仕事も楽になる」と思うかもしれません。

しかし、仕事がつらい原因がすべて本人の考え方にあるわけではありません。

明らかに多すぎる仕事量。不適切な扱い。危険な環境。理不尽な要求。休息を取れない働き方。

こうした問題まで、「自分の受け止め方を変えればいい」で済ませてはいけません。

状況そのものに問題がある場合には、環境を変えることや、周囲に相談することも選択肢になります。

「我慢し続けること」は勇気ではない

アドラー心理学の勇気は、「どんな職場でも黙って耐えること」ではありません。

自分の課題に責任を持つことには、必要なときに助けを求めたり、状況を変えるために行動したりすることも含めて考えられます。

仕事量について相談する。

担当を見直してもらう。

休む。

異動を希望する。

場合によっては、別の働き方を考える。

「辞める=逃げ」と単純に考える必要もありません。

重要なのは、自分はこの状況で何を大切にし、どの選択について責任を引き受けるのかを考えることです。

「この仕事を続けるべき?」と悩んだとき

仕事がつらいと、「辞めるべきか、続けるべきか」という二択で考えがちです。

でも、その前にもう少し分けて考えることができます。

仕事内容がつらいのか。会社が合わないのか。上司との関係だけが問題なのか。働く時間が問題なのか。評価されないことがつらいのか。そもそも、自分が大切にしたい働き方と合っていないのか。

原因が具体的になると、「辞める」「続ける」以外にも、相談する、部署を変える、働き方を変える、考え方を見直すなど、選択肢が見えてくることがあります。

「自分は仕事に向いていない」と決めつけない

仕事でうまくいかないと、「自分は社会人に向いていない」「自分は仕事のできない人間だ」と思ってしまうことがあります。

しかし、「この仕事が苦手」と「仕事そのものに向いていない」は違います。

さらに、「仕事が苦手」と「人間として価値がない」も違います。

自分自身への評価を、大きくしすぎないことが大切です。

仕事と「ライフスタイル」

同じような仕事の悩みを繰り返している場合には、自分の「ライフスタイル」が関係していることもあります。

たとえば、「失敗してはいけない」という考えが強ければ、どの職場でも完璧を求めすぎて疲れるかもしれません。

「人から嫌われてはいけない」と考えていれば、頼まれた仕事を断れず、いつも抱え込みすぎるかもしれません。

「人より上でなければ価値がない」と考えていれば、どの会社に行っても同僚との比較で苦しくなる可能性があります。

職場だけを見るのではなく、自分がどんなパターンで仕事に向き合っているのかを見ることも役立ちます。

「仕事だから仕方ない」で終わらなくていい

大人になると、「仕事なのだから仕方ない」と言われることがあります。

確かに、仕事には自分の好きなことだけではなく、責任や負担もあります。

でも、「仕事だから苦しくて当然」「我慢するしかない」とすべてを諦める必要もありません。

自分で変えられることはあるのか。誰かと相談できることはあるのか。今の考え方で自分を必要以上に苦しめていないか。

そうした問いを持つことはできます。

仕事がつらいときに考えたい6つの問い

1.具体的に「何」がつらい?

仕事内容、人間関係、仕事量、評価、給与、働く時間など、「仕事がつらい」を具体的に分けてみます。

2.これは自分が変えられること?

自分の行動で変えられることと、自分だけでは変えられないことを分けます。

3.他人の評価を、自分の価値と結びつけていない?

仕事上の評価と、人間としての価値は別です。

4.誰かと競争することが仕事の目的になっていない?

「誰より上か」ではなく、「自分は何を学び、何に貢献できるか」と考えてみます。

5.自分だけで抱え込んでいない?

必要なら相談する、助けを求める、共同の課題として考えることもできます。

6.自分は本当は、どんな働き方をしたい?

評価、世間体、周囲の期待だけではなく、自分が仕事で何を大切にしたいのかを考えます。

「仕事がつらくない人」になる必要はない

仕事がつらいと、「もっとメンタルを強くしなければ」と思うかもしれません。

でも、何があっても平気な人になる必要はありません。

疲れることもある。落ち込むこともある。失敗を怖いと思うこともある。

重要なのは、その感情を持たなくなることではなく、その感情だけに次の行動を決めてもらわないことです。

「つらい」と思ったあとに、「では、今の自分にできることは何だろう?」と問いを続けてみます。

「評価されるため」から「協力するため」へ

仕事が苦しくなると、自分のことばかり気になります。

「自分は評価されている?」

「自分は仕事ができる?」

「自分は周りより遅れていない?」

もちろん、自分の仕事について考えることは大切です。

でも、そこから少し視野を広げて、「この仕事を通して、誰とどう協力できる?」と考えてみます。

仕事を、自分の価値を証明する試験だけではなく、人と協力する場として見てみるのです。

アドラー心理学の「共同体感覚」と仕事

アドラー心理学で重要なのが、「共同体感覚」です。

自分は共同体の一員である。他者は仲間になりうる。そして、自分にも共同体の中でできることがある。

この感覚から仕事を見ると、職場は単なる競争の場所ではなくなります。

もちろん、会社には評価も競争もあります。

でも、それだけではありません。

困っている人を助ける。情報を共有する。自分の役割を果たす。助けてもらう。相談する。一緒に問題を解決する。

仕事には、たくさんの協力があります。

「自分だけで何とかする」ことが自立ではない

仕事ができる人とは、「何でも一人でできる人」だと思うことがあります。

でも、現実の仕事では多くの場合、他者との協力が必要です。

わからなければ聞く。専門外なら詳しい人に相談する。自分だけでは難しければ助けを求める。

これは、無責任なのではありません。

自分の役割を理解したうえで、必要なところでは人と協力する。

それも、仕事の課題に向き合う一つの方法です。

仕事のつらさから「幸福」について考える

仕事について悩むとき、最終的には、「自分にとって、よく生きるとはどういうことだろう?」という問いにつながります。

高い収入を得ること。昇進すること。好きな仕事をすること。安定した仕事をすること。誰かの役に立つこと。家族との時間を持つこと。

人によって、大切にしたいものは違います。

だからこそ、「世間ではこの働き方が成功」とされているものを、そのまま自分の幸福の基準にする必要はありません。

「どんな仕事をするか」だけでなく「どう働くか」

仕事について考えると、「どんな会社で働くか」「何の職業に就くか」に目が向きます。

もちろん、それも重要です。

でもアドラー心理学から見ると、もう一つ、「その場所で、他者とどう関わり、自分の課題にどう向き合うか」という視点があります。

同じ仕事でも、評価だけを追い続けるのか。周囲と競争し続けるのか。それとも、自分の役割を引き受けながら協力するのか。

仕事の意味は、職業名だけでは決まりません。

まとめ|仕事がつらいとき「自分にできること」へ戻ってみる

仕事がつらい。その理由は、人によって違います。

仕事量が多い。人間関係が苦しい。評価されない。人と比べてしまう。失敗が怖い。仕事に意味を感じられない。

だから、まず「仕事がつらい自分は弱い」と決めつける必要はありません。

そして、すべてを「考え方の問題」にする必要もありません。

状況そのものに問題があるなら、環境について考える必要があります。人に相談したり、働き方を見直したりすることもできます。

そのうえでアドラー心理学から考えるなら、いくつかの問いを持つことができます。

「これは誰の課題だろう?」

「自分が変えられることは何だろう?」

「他人の評価を、自分の価値にしていないだろうか?」

「誰かと競争することばかり考えていないだろうか?」

「自分には、この場所で何ができるだろう?」

仕事のすべてを、自分の思いどおりにすることはできません。

上司を完全に変えることもできない。同僚の評価も決められない。会社のすべての仕組みを変えることもできない。

でも、自分がどう行動するか。何を引き受けるか。どこで助けを求めるか。何を大切にするか。

そこには、自分が選べる部分があります。

そして、必要なら「この場所で働き続けるのか」について考えることも、自分の人生の一部です。

「哲学を学ぶことを、もっと日常に。」

明日の仕事を考えて、「またつらい一日が始まる」と感じたとき。

すぐに「もっと頑張らなければ」と自分を追い込む前に、一つだけ問いかけてみてください。

「今の自分が、本当に引き受けるべきことは何だろう?」

そして、もう一つ。

「一人で抱えずに、協力できることはないだろうか?」

仕事とは、自分の価値を証明し続けるための試験ではありません。

自分の役割を引き受け、他者と協力しながら社会と関わっていく。

アドラー心理学から考えると、そこに「仕事」という人生の課題と向き合う一つのヒントがあります。

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